うちにやってきた家庭教師は二十代の女性の先生でした。娘が中3で、中体連が終わったところで、数学の成績がとうとう50点満点中6点という惨憺たる結果で、いよいよどうにかしないといけないと思った妻が、かつての同僚の女性のつてで、家庭教師を紹介してもらった次第である。

この家庭教師の先生は、20代の女性で、なかなかのぽっちゃり体型。娘の印象ではたぶん独身だろうとのこと。なんとなく話していればそういった感じなのが分かるのだそうだ。ちょっと男っ気もないのかもしれない。

そして、窓を挟んで娘の部屋と私の部屋は、ななめの位置にあるのだが、窓を伝って家庭教師の先生の笑い声が聞こえてくるのだ。早口でまくしたてるような口調から、なんとなく男っ気がないのはうかがい知れる。

まあそれでも、娘の学力さえ上げてくれば私には何の文句もないのである。そして10月のテストの結果は、数学が50点満点中の16点。何といっても数学が足を引っ張っているのである。

社会が20点台の後半。英語が30点くらいだろうか。社会については、暗記すれば取れる教科なので、私の希望としたら40点を超えてほしい。英語も塾にずっと通っているので、単語や文法、構文などをきっちり覚えて取りこぼしを少なくして、やはり40点を取ってほしい。

英語と社会で合わせて80点を取れば、あとの理科、国語を30点、数学で20点づつ取れば、合計160点になるので、地域の一番の進学校の合格ラインに到達するのである。

もっとも、高校選びは、高校の学力レベルだけではなく、その高校の校風というか、学生生活を楽しめる、自分に合った高校を選んでほしいと思う。学力というのは、学校に入るためには大切だが、社会人として社会をリアルに生き抜くためには、身につける優先順位としては低いのがリアルの世の中である。

学力だけつけて、人間関係が全然できない大人は、はっきりいうと社会人としては使い物にならないからである。学力も備えつつ、人間力が根本に培われていないと、人がついてこないし、人からの協力も得られないし、魅力のある友達もできてこないので、人生の楽しさというのが全く得られないということを、この年になると実感するのである。

勉強をしていい学校に入れば幸せになるというのは、はっきり言えば、幻想と断言できる。人とのかかわりあいを通してが、一番人間は学べるので、そういった人とのかかわりあいを断って勉強ばっかりで人とのかかわりを閉じていると、人間的成長は全く持ってないし、異性にもモテない。同性にも好かれない、なんとも味気ない人生になってしまう。

そういったことを本当に実感するので、自分の子供には、高校受験や、必要な学力については身につけてほしいが、やはり部活などで積極的に人と交わり、苦労もしながらも、人の輪に入り続けて事故を向上させてほしいと思う。文部科学省が部活を推進しているというのはそれなりに理由があるのである。人間形成に、人とのかかわりというのは切っても切り離せないものだからである。

人付き合いも大切にし、どういうことをやったら人に好かれ、どういうことをやったら人に嫌われ、どういうふうに動けば人に応援を受けることが出来るのか。こういったことを学んでほしいのだ。

家庭教師の話とはだいぶん逸れてしまったのであるが、とはいえ、今は勉強の時期だ。勉強は社会生活であまりプライオリティーは高くないとはいっても、高校に入るためには勉強は直近の課題だからである。高校受験を通して、頑張って実力を身につける、継続的な努力が実を結ぶといった実感を得てくれればと思う。

そして、将来の夢に向かって、逆算しながら進路を考えていってくれればと願っている。

いずれにしても、家庭教師の先生に学んでいる数学は、当面必要なので、しっかり勉強をして、先生がいないときの家庭学習も大事にしてほしいと思う。

先生がいないときの家庭学習をどれだけ出来るかというのが非常に大切になってくるし、先生にはそういったところの促し、働きかけを子どもにしてほしいと思う。こういった、家庭学習の働きかけが上手な先生というのが、結局、良い家庭教師、成績を出せる家庭教師のおおきな要素になってくるのではないだろうか。